猫を家族として迎えたら、食事やトイレのお世話はもちろん、歯のケアにも気を配ることが大切です。「猫の歯磨きって必要なの?」と思う方も多いかもしれませんが、実は猫も人間と同じように歯周病にかかるリスクがあります。
歯の健康を守ることは、猫の全身の健康にもつながる重要なポイントです。この記事では、猫の口腔ケアの必要性や方法、歯磨きを嫌がる猫への対策について詳しく解説します。
1. 猫の口腔ケアがなぜ必要なのか?
① 猫も歯周病になる!
猫の口腔トラブルの代表的な疾患は「歯周病」です。
歯周病は、歯に付着した歯垢(プラーク)が原因で炎症が起こり、放置すると歯が抜けたり、顎の骨にまで影響を及ぼす怖い病気です。
猫の歯周病の主な症状
- 口臭が強くなる
- 歯茎が赤く腫れる
- よだれが増える
- 食欲が落ちる
- 口を気にする仕草をする
猫の歯周病は3歳以上の猫の約80%が発症するといわれており、決して珍しい病気ではありません。
② 口腔内の健康が全身の健康につながる
歯周病が悪化すると、口の中の細菌が血流にのって全身に広がることがあります。
これにより、心臓病、腎臓病、肝臓病などの病気を引き起こす可能性もあります。特に腎臓が弱いとされる猫にとって、歯の健康はとても重要です。
2. 猫の歯磨きの基本
① いつから歯磨きを始めるべき?
理想的には子猫の頃から歯磨き習慣をつけるのがベストです。ただし、成猫になってからでも遅くはありません。少しずつ慣れさせながら、歯磨きを生活の一部にしていきましょう。
② 歯磨きに必要なアイテム
猫の歯磨きには、専用の道具を使うのがポイントです。
- 猫用歯ブラシ(毛先が柔らかく、ヘッドが小さいもの)
- 猫用歯磨きシート(歯磨きが難しい猫におすすめ)
- 猫用歯磨きジェル・ペースト(飲み込んでも安心なものを選ぶ)
- 歯磨きおもちゃ(噛むことで歯の汚れを落とす効果あり)
絶対にNG! 人間用の歯磨き粉にはフッ素やキシリトールが含まれており、猫にとっては有害です。必ず猫専用のものを使いましょう。
3. 歯磨きのやり方とコツ
猫の歯磨きは、無理をしないことが大切。最初は口の周りを触ることに慣れさせることから始め、徐々にステップアップしていきましょう。
① 初級編:指を使ったトレーニング
- 猫がリラックスしているときに、指で口元を優しく触ることからスタート。
- 慣れてきたら、ガーゼや歯磨きシートを指に巻いて歯を軽くこする。
② 中級編:歯磨きジェルを使う
- 猫用の歯磨きジェルを指につけ、口元に少し塗る。
- 舐めさせて、ジェルの味に慣れさせる。
- 指やシートで優しく歯をこする。
③ 上級編:歯ブラシを使う
- 猫が落ち着いているときに、歯ブラシをそっと口元に当てる。
- 少しずつ歯に触れさせ、短時間からスタート(10秒~20秒程度)。
- 徐々に磨く範囲を広げる(できれば奥歯まで)。
ポイント
- 最初は1日1回、数秒でもOK!
- 猫が嫌がったら無理せず、楽しい時間として習慣化する。
- 歯磨き後にご褒美をあげると、ポジティブな経験になる。

4. 歯磨きが難しい猫向けの口腔ケア
「どうしても歯磨きを嫌がる…」という猫のために、他のケア方法も取り入れましょう。
① デンタルフード・おやつを活用
噛むことで歯垢を落とせるデンタルフードや歯磨きガムを与えるのも一つの方法です。
- ロイヤルカナン「デンタルケア」
- グリニーズ
② デンタルウォーターを使う
飲み水にデンタルウォーターを加えることで、口腔内の細菌を抑えることができます。
ただし、水の味が変わると飲まなくなる猫もいるので、少量から試しましょう。
③ 動物病院でのスケーリング(歯石除去)
歯石が溜まりすぎた場合は、**動物病院でのスケーリング(歯石除去)**が必要になります。
ただし、全身麻酔を伴うため、定期的な予防ケアでなるべく回避するのが理想です。
5. まとめ|猫の歯磨き習慣で健康寿命を延ばそう!
猫の歯の健康は、全身の健康にも直結する大切な要素です。
歯周病予防のためには、歯磨きが最も効果的ですが、難しい場合はデンタルフードやデンタルウォーターなど、他の方法も組み合わせて口腔ケアを行いましょう。

猫の歯磨き習慣は、飼い主さんの愛情の証!
少しずつ慣れさせて、楽しく続けていきましょう。
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✔︎ デンタルウォーター(お水に混ぜるだけで簡単ケア)